虚実皮膜論
芸というものは、実と虚との皮膜の間にあるものなり。
〜中略〜
虚にして虚にあらず。 実にして実にあらず。 この間に慰みがあるものなり。
【解説】
事実をそのままなぞって書いても、それは「芸」とはいえるようなものではありません。 また、絵空事とわかりきっているようなことを書くのも、やはり「芸」がありません。 本当の「芸」とは事実と絵空事の間の紙一重のところに存在するのです。
※江戸時代元禄の歌舞伎・人形浄瑠璃の劇作家 近松門左衛門が書いた『虚実皮膜(ひにく)論』による一説。解説はネットより拝借
無いものを有るが如く、有るものを無いかの如く表現することが芸の極意と言えるのでしょう。言葉で表現するなら「手品」、「魔法」、「マジック」的な手法が近いのでしょうか。武術にも達人と呼ばれる人には「虚(きょ)」「実」を武術で体現するそうです。この他、悪徳商法や詐欺師は「実」のような「虚」を描く「虚実」の悪用と言えます。一部の政治家にも似たような… 現代はこの「悪用」が幅を利かせ、本来、芸の「虚」と「実」が影を潜めているような変な世の中です。
「文明の発展」と「幸福度」は必ずしも比例しないことは以前にも書いたことがありますが、価値観や生き方というのは歴史や文化にこそ学ぶべきると感じます。
最近やたら「虚」と「実」という言葉が私の頭の中を巡ります。もう少し探求し機会があればまた触れようと思います。
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